ハンター協会会長選挙編と同時進行していたゴン救出編では、キルアの妹アルカ=ゾルディックを中心に話が展開されていました。 ゾルディック家の中でも危険な存在として隔離されていたアルカの能力について考察してみます。
アルカはゾルディック家の四男、キルアの弟でカルトの兄です。
作中で曖昧になっていますが、性別は男ですがキルアはアルカに妹として接し、またアルカも自身が妹と思っているようです。
キメラアント編で瀕死の状態となったゴンを助けるため、仲間達とは分かれてキルアは動きます。
イルミの針を抜いたキルアは妹の能力を思い出し、それを使ってゴンを助けようとします。
アルカの能力はどんな願いでもかなえてくれるというものです。ただし、その代償は大きくルールも複雑なので注意する必要があります。
ゾルディック家の中でも知識に偏りがあり、キルアが最も詳しいです。
ストーリ中で各キャラクターが説明したアルカの能力についておさらいしていきます。
アルカをゴンのところへ連れて行くために実家に帰ったキルアは、アルカに会う許可をもらうためにシルバにルールの説明を行ないます。
「お願い」を叶えてくれる黒目のアルカを、キルアは「ナニカ」と呼んでいます。
またアルカも、二重人格のように自身と「ナニカ」を区別して認識しているようです。
イルミはヒソカに対して、さらに以下の説明を加えています。
殺人一家の一員であるキルアは家族以外の人と過ごす時間は短く、キルアがおねだりに失敗した場合に家族にまで危険が及ぶことを懸念したわけですね。
アルカと再会するキルアの様子をみながら、ミルキはシルバに自身が知ってるルールを話します。
アルカを無事ゴンのところに連れて行くため、またその後アルカを家族から守るために、キルアは自身だけが知っているルールを隠していました。
キルアは幼い頃、黒目のナニカに対してどうしたら白くなるか聞いています。その時の答えはこちらです。
「お願い」一つ聞いてやるから白くなる
代わりに三つ「おねだり」聞けば黒くなる
「お願い」には「おねだり」が必要ですが、キルアは見返りなしの「命令」を行なうことができます。
ナニカがキルアの命令を聞くのは、兄妹としての信頼関係ができているからでしょうか。
キルアとアルカが山から降りるとき、「最終的にかなうお願いがひとつなら選択を迫れる」とミルキは判断していましたが、これは実際にはお願いではなく命令でした。
キルアが「命令」できることを家族に隠すために、あえて複雑にして混乱させるための作戦だったと考えられます。
黒目になった状態は確実に「ナニカ」なわけですが、実は見た目は普通のアルカでも「おねだり」している時はナニカになっています。
キルアは「お兄ちゃん」と呼ぶのはアルカで「キルア」と呼ぶのはナニカと判別しています。
ゴンを治す直前、キルアは「アルカ」の時間について振り返っています。
ナニカが眠っている時だけアルカは起きる
アルカの時間は長いようで短いナニカの「おねだり」が失敗して人が死んだ後
ナニカが次の誰かにレベル1の「おねだり」をするまでの間ナニカに「おねだり」されている誰かが途中でナニカの元から離れて
「おねだり」が中断されている間ナニカが何かを治して眠った後
誰かが「アルカ」にお願いをしてそれがかなうまでの間
ハンター×ハンター332話より引用
特に重要なのはは最後です。
これまで「お願い」はナニカに対してするものでしたが、実は「アルカ」に対するお願いもルールに関係してきます。
治すお願いのあとナニカは眠りますが、「アルカにお願いしそれがかなった後でないと基本的にナニカは起きない」とも読み取れます。
作中ではどうだったのでしょうか。
「ナニカが何かを治す」タイミングは2つありました。
ひとつはツボネの左手、もうひとつはゴンを治すときです。
ツボネの左手を治して眠ったあと、キルアは「ナニカに代わってほしい」というお願いを「アルカ」にしました。ルール的には、仮に別のお願いであったとしてもナニカを呼び起こすきっかけになっていたと思います。
ただしゴンを治したあとは、イルミを家に飛ばすためにキルアは明示的に「ナニカ」を呼び出しています。
「命令」を使えばアルカにお願いをかなえてもらわずともナニカを呼び出すことが可能なようです。
暗黒大陸編で、ナニカの正体は「欲望の共依存 ガス生命体アイ」であることが明らかにされました。
人類が暗黒大陸から持ち帰ったということはわかっているのですが、それがどうアルカに寄生(?)したかまではわかっていません。